思案

祭りから遠く離れて

騒ぎの真ん中もよいけれど、わずかに離れた場所から気配を感じるのも風情あるものです。 風に流れてかすかに聞こえる喧騒に、いろいろまとまらない記憶の断片は浮かんで、消えて。

共有される存在しない夢

2005-06-30 ボクはネットコミュニケーションが大好きで、その可能性に期待しているが、信用はしていない。これはネットコミュニケーションを始めて、数年たち、いろいろ体験したボクの率直な感想である。 この書き出しから語られるネット論に偶然出会った。…

撤退の儀式

http://www.hatena.ne.jp/1118902107この質問への回答の中に、ポイントランキングシステムはあることより害の方が大きいからなくすべきだという意見が多数ありました。私もなくしてほしいです。ランキングがなかったら、私の変な回答はずっと少なく、ここま…

知と理解の距離

http://www.sk-jp.com/mt/philosophical/archives/2005_06/11_034300.html この問題についての意見を久々に見てふと思ったのは、「みんなものすごい勢いで話題を消費していっているわけだけど、ほんとに消費されちゃってることが多い」ってこと。インターネ…

並列車椅子

右側は、身障者用乗用車のために用意されたスペースだろうと想像できる。では、左側は…なんだろ、これ。 車椅子置き場だとすると野晒しは酷いし、車をもう一台おくほど広くもない。 最初から全区画をリザーブするだけでいいんじゃ?と思うんだけど。 いま画…

デッキプレート丸出し

見て分かりづらいかもしれないけれど、デッキプレート*1が丸出しです。手前側はLGS*2きちんと張ってるのに。 こんなところで予算きりつめるなら最初から全部吊り天井なしにしたらいっそインダストリアル指向だとか思わせることできるかもしれないのに。あ、…

あめあがり

夜更けの雨も静かにやんで、夜明け前には音もない。窓を開けて煙草に火をともすと、ゆっくりと煙が外に流れていく。モニタの明かりに浮かぶ煙を目で追いながら、わずかに冷えた風のこととか、その他のややこしいこととか、寂しいこととか、そんな有象無象を…

馴致と飼育

鈍感になることによっていろいろと楽になる事もある。たとえばピーマン。子供の味蕾は発達しているのでそのアルカロイド性の毒素を明瞭に把握して拒絶する。成長して味蕾が衰えるにつれ、人はその毒を認識しなくなる。 あるいは感情。試験体に与えられる刺激…

残り香

顔を洗うときに煙草の臭いがして、以前に「服が煙草くさいね」と言われたことを思い出す。いつだっけあれは。だれだっけ、あれは。 まあいいけど。 煙草吸わないでいると鼻がてきめんに利くね。

雨も降り出す

ひとりで泣きじゃくる人は君のモノではなかったけれど、たとえばあの人が君に夢中で、たとえばそのことでキズついてくれたらな、とかぼんやり思ってたのだろう? そんな日々も、もう遠い。 いまでも、いつもなにかが足りなくて、だけど別に気にしない。鼻歌…

研磨と磨耗

磨き上げるのはなんのためだか知らないけれど、それは重苦しいばかりってわけじゃないのだ。などと、つらつらと考えてみる。 軽やかさが足りないのはまだ修養が不足しているからではある。そのあたりを意識しつつ、さ。 たばこを吸いながらそんなことを考え…

響きが過ぎる

谷間中に充ちた声は風と同じで、聞き取ってもらうことは逆に難しくなるものです。あまりにも当たり前にそこにあるものだから、まさかそんなことは、と思わされてしまうのです。 遠く、声を高く、掛けて見ても、届く時もあれば丸っきりの徒労に終わることも多…

距離と無音

携帯を買ったという知り合いとすこしだけ話をした。電車を降りて歩いているらしい背景の音が聞き取れた。少しばかりの笑い声、嬌声。少しだけ会っていなかっただけで会話は弾む。こんなことならずっと会わないほうがいいかもしれない、などと思ってみる。き…

こわれもの

壊れやすいものは触らないのが一番なのだろうけれど人はそれに触れることをやめることができない、そのことが対象を破壊することにつながるかもしれないと分かっていても。因業としか言うほかはないね。

翼を折る

知り合いがなす術もなく壊れていくのを見ているのはとてもツライことだ。どんな道を通ってきたのか、その片鱗を知っているものとしては、そんな風になんてなりたくないのにという悲鳴と、同時に、その端正な顔に器用に浮かべているであろう薄ら笑いが目にみ…

経過と過程

なんでもないことが本当になんでもないのであれば、ここはなんでもなく過ごせるけれど、そうもいかない。 浮かれたち、喜んで我を忘れ、距離を措き、戻り、惑溺し、溶融していく過程をだいぶ見てきた。それはヨロコビであり、タノシミでもある。あった。それ…

ためらいためいき

気になることはいくらでもあるけれど気にしていたところで代わり映えもしない。効果的でもない。けれど気にする事を止めることはできない。なぜなら人間だからだ。人間というのは元来、非効率な存在だ。 人は慣れるようにできている。人は驚くほど、たいてい…

うわのそらのわけ

考え込むことは多いけれど考えたところでどうすることもできないことも多い。 だからこそ考え込むのだけれど、それはあらかじめ、そうやって考える事が無意味であり効果を持たないということを考えた上で考えているのでなければ疲弊するだけだ。わかっていて…

飼いならす

なれるというのは恐ろしいものでウソをつきながらでもそのこと自体を受け入れてしまうことくらいは容易にできてしまう。人間にとって可能なことはとても多い。 あとに残るのは、蜂蜜を絞りとったあとの蜂の巣に似た何かなのかとも思う。 慣れるというのは、…

言わずにいること

言わずにいることなどは案外多くて、でもだからといってそれが胸につかえることはそれほど多くはない。ちょっとしたタイミングを失しただけだと言い聞かせて、そのうち忘れる。そんなものだし、そんなふうだ。 いえずにいることなども多いのだろうけれど、そ…

それはゼリー

固まってしまうのはスキではない。でも放っておくと固まる。それはゼリー、冷やしてそっと放置すると固まってしまう。温めて、動かしつづけておかなければいけない。そうでなければ固まってしまうから。魔法は解かれるためにある。 遠く離れることはとてもス…

届かない虹

雲の上では温度が上がっているらしい。花粉が減って一安心。 ところで海に降る雨のように、空中で融けて地上に届かず人の目に触れない雪はあるだろうけれど、それを遠くから眺めたときその虹はどんな色になるのだろうかと考えてみたりすることはある。

そこへゆく

思いもよらず、懐かしい人たちの話を人づてに聞いた。少しだけ離れた土地で元気にしていると言う。本当かどうかはしらないけれどその言葉を信じる。 名前を聞いた一瞬、その刹那にだけ浮かんだ風景、匂い。目を閉じた後の残像のような光景、影。その頃の呼吸…

通り過ぎた猫

参加しなかった集まりについてのメールを読む。たのしそうな風景が目に浮かぶ。参加しておけばよかったかな、と少し思う。昨日の晴れた空、白い雲。 猫が通り過ぎて、そのあとに何も残らないようなものだね。

経年劣化

喪の仕事というのがあって、要はさまざまなモノゴトを整理するのは時間がかかるということで。そういう整理整頓の期間なのだな。柄にもなく考えていることがスピンアウトしてみたり、漏洩されてみたりして。コップの中の嵐が想定されますな。 などと客体視し…

猶予

ほんの少し天使に背中を押してもらえばできることがある。たいていそういうことは、しないで終わる。雲の上に住んでいるだけあって天使は無力なのですね。 選んでいたら、なにほどか幸福もしくは不幸になっていて、つまり今とは違う今を生きていたりすること…

浪費と散漫

恐ろしいのは自分を浪費することだ。うっかり、ずるんとモノをつくったりすると一回分のエネルギーをムダに使ってしまうことになる。小出しに使うのもダメだ。散漫になるからだ。金銭的な浪費はそれなりに楽しい。時間の浪費でさえも。だが自分の浪費という…

針と雲

ところで、思うことといえばそんなには多くない。人間の脳味噌の容量は識域下にあらわれないものを勘定に入れたところで知れたものだ。クリアにそれらを見据えるというのはとてもこたえる。ボディーブローのほうがまだマシ。 なのだけれど見据えるというのは…

その目

後悔なんてしない、と言い切った言葉よりもその時の目のほうが記憶から離れない。太陽系の外れの静かなメタンの氷のようだ。遥かに遠く、静かで、誰も聞くこともなく。 遠ざかり、近づいて、でも遠く、遠く眺めることくらいはできる。 たとえば視線などに物…

古い話、想起、忘却

風にあおられるレジャーシート、クルミパン。木陰、魔法瓶のコーヒー。昼寝。小さく笑う声。 古い話をした。古すぎる話。急速に思い出されるものは匂い、そして色。鮮やかな色。机の下に敷いてあったゴザに砂がかぶっていたこと、陽射しの角度、どんな椅子だ…