街頭風景

Blank2004-12-31

冷たい雨の降る雪のやんだあとの街をふらふらと歩いた。われながら酔狂ではある。

みぞれのようになった雪をブーツで踏み散らかし、人に肩をぶつけ、ゲーセンに寄り、いつもより早めにしまわれようとしているペットショップの動物のケージの前で足を止め、空を見上げ、売り子の声を聞き流して歩く。

雨がゆっくりと上着を湿らせる。息を吸って、吐く。蛍光灯の白い色、看板の白熱電球、エアコンの室外機のコンプレッサーの振動。オリーブオイルとにんにくの匂いのするイタリアン・レストランの前を抜け、店じまいを始めた携帯ショップの様子。

そばに乗せるてんぷらを売る声が聞こえる。一瞬うかぶ、どこかで食べた蕎麦のイメージ。すぐに消える。

シャッターが早々と折り始めたアーケードをあとに、街に背を向ける。
さて、帰ろうか、家へ。