不在のよすが

 かつて年配の同じ部署の方に静かな声で、君は何かに怒るように真面目に正確に歌うからねと言われたことを思い出したりする朝。そんななのか?そうなのか。

 怒っているみたいだといわれることはあるけれど別に今さら何かに怒りを覚えたりするほどには実は今は熱くない。冷え切った三日前のゼンザイのような存在。怒るってどういうことだろう。イライラすることはあるけれど、怒るということがいまやよくわからない。シニカルにツツいたりはするけれど、ほんとのところ、怒ってなんかいない。あるいはこれは、怒り続けているってことだろうか。なんでもいいけどさ。

 なんでもいいわけなんてない。