論語読みのなんとやら

 こういうニュースHotWired Japanに載っていて、それをキーに検索してみたところ出てきたのが下のBlogのエントリー。

メンデルの法則を覆す研究?(科学ジャーナリズムの不在)

 元記事でも、あたかも別の科学者のコメントを取っているかのように書いていますが、もともとの論文が載っているNatureのnews and viewsの解説をパクっているだけのようです。

 そもそも「150年間、科学において不動の地位を保ってきた遺伝法則に疑問を投げかける研究結果が発表された」という記事の書き出しからして大間違いなのです。

 何十年も前の大学生ですら、生物学を専攻していれば、そもそも多くの遺伝様式はメンデルの法則にあてはまらないことの方が多いということを教わっています。

 インターネットの時代の我々は、たとえ生物学を専攻していなくても「非メンデル遺伝」とか「non-Mendelian-inheritance」でGoogle検索してみると、前者でも約198件、後者にいたっては約6380件もヒットすることで、簡単にこの記事の価値を検証することができます。つまり、メンデルの法則に従わない遺伝のパターンなんて、昔からたくさんたくさん報告されているのです。

 学びて思わざれば則ち罔し*1

*1:Learning without thought is labo(u)r lost; thought without learning is perilous. --Confucius (551?-479B.C.): Lun Yu