元が切り上げられるとなぜ円があがるか

 わかりやすく開設しているBlogをみつけたのでメモ。

人民元切上げのお話: マーケットの馬車馬

ここで注意して欲しいのは、為替相場はここで2種類の為替レートのバランスを同時に取っているということだ。ひとつは言うまでもなく円ドルレート。そして、ドル=人民元レートを介して、1円=8.28 / 113 という円=人民元レートも存在している。重要なのは、この円=人民元レートは変動相場だということだ。RMB8.28 = JPY113というのは市場の決めた実勢価格なのだ。もちろん、ドル=人民元が固定相場なのでこの実勢レートは日中経済の実態を100%完璧に反映したものでは無いが(日米経済の動向も円=人民元レートに影響を及ぼしてしまう。同時に、日中経済の動向が円ドルレートに影響してしまう、とも言える)、そのような複雑な状況も加味した上での実勢レートがRMB8.28 = JPY113という為替レートだったということだ。

で、今回の人民元の切り下げはあくまでもドルに対してのみ行われるものであって、日中経済には何の関係もない。よって、RMB8.28 = JPY113という為替レートはそのまま維持されなければならない。そこで、

RMB8.11↓ = USD1.00 = JPY111↓

となることで、8.28 : 113 = 8.11 : 111となって、円=人民元のレートは以前と同じ水準に保たれるというわけだ(同様の理由で、中国と関係の深い他のアジア通貨も対ドルで増価している)。厳密には、これによって円ドルのレートも変わってしまうため、円ドルレートの増価幅(数字上は低下)は人民元の切り下げ幅よりも小さくなるはずなのだが、109円くらいまで飛んでしまったのには正直呆れた。君たち慌てすぎ。結局111.3円(NY22日終値)まで戻って来てるし。まぁ、夏休みの金曜日で板薄だったという理由もあったのだろうが。

 コメントが充実していてノイズが少ないので興味深く読んだ。


 中国がどういう経済システムになるにしても、変化はまだこれからくるのだなあ。軟着陸していけるといいけれど、さて、国内経済の健全な発達がない現状をみると基礎体力は数字より弱い中国にはできますかどうか。近所だから影響受けないわけもないし、心配です。