意味のないもの、その価値

 売りつけなければならないので、意味のないものには価がつけられる。無いモノを嘆ずる空疎なキモチ、有るモノに集中していきる力。確実に忍び寄る影の濃さがどれほどのものかまるで気づくこともなく過ぎる、過ぎ去る。


 集中していればいいというわけではないのだ。加速と遅滞。自分の表情を感じること、「何も見えない」という既視感、保留されたすべて。


 卵を投げる、その空に近い場所からできるかぎり遠く、ここではない場所を、そこだけを目指して。孵るために用意された卵ばかりでないことくらい、君だって知っているだろう?