タコツボ
人は存外に器用なもので、自分のなかに穴を掘ることができるようだ。ドツボ。で、単純な作業がそうであるように、やりはじめるとそれは案外やめることができない。結局出ることができないほどに深い穴ができあがり、その底から彼もしくは彼女は、ぼんやりとヒザを抱えて空を見つめる羽目になる。タコツボに収まっていることは、タコにとっては至福のときらしい。
でもそれはそんなに悪い気分ではないものであるように思えたりもして、その気分は、うん、わからないでもない。というか積極的とさえ言えなくもないほどにわかるし。わかったところで結局のところ意味もないのだけれど。君にとってはそうなんだろう?ちがうかい。
ところで人はどうしてなにかを感じたりするのかホントのところ理解できない。人はどうして泣くんだろ。名づけようのない情動はどこからくる?そしてどこへいく?どうして会話は成立しうるんだろうね。
そんなことを思った朝のおわり。そういえば前にいつ泣いたのか思い出せない。