速度と取捨と恣意

奈良の女子小学生殺人事件の容疑者が身柄を確保されて逮捕状請求、家宅捜索されたというニュースはもうこの時間になったらかなり広まっているだろう。真犯人なのかどうかというのはここではさておいて、興味深いことがあったのでメモ。

最初に関西の知人からこの話を聞いたのはメッセンジャー。彼女はテレビのニュース速報で見たということだった。早速テレビをつけてみたが(私は関東在住なので番組違うのだ)、関東では太平楽な番組ばかりやっている。さすが年末。
なので情報のソースについて調べてみた。ネット万歳。が、asahi.comで確認したくらいで、それも事情聴取について言及するにとどまっている。逮捕状とか家宅捜索とかはまるで触れられていない。
ほんとうかなあ、と思っていたら、NNN24で速報が。ついで、サンケイなどに波及。それからはすばやくて、テレビで特番組まれるモード。この間、一時間弱。

ここから考えると、関東と関西の情報の距離はおおよそ一時間ということだ。

でもこの段階で、このニュース、いっさい毎日系列では報道されてないのね。
ちなみに新聞配達員の勤務地、として報道されていた映像はモザイクがかかっていたけれど、青い色で白い字にmainichiというローマ字が見える様子だった。
ってことはあれかい?序盤はどこの系列の新聞配達員なのかわからんので戦々恐々となって報道を手控えて、自分の系列じゃないとわかったら報道し、自分のところだったら報道さえしないってことか?
まあ、紀宮ご婚約発表特番を用意してたってのもあるんだろうけどさ(しかし毎回トラブルに見舞われますな、この姫様は)。

そもそも速報でこんな事情聴取と家宅捜索について報道したところでなにがかわるんだろ。冤罪だったらどうするんだろうね。逮捕されても長野のサリン事件みたいに誤報だったりすることあるんだよ。

いまごろは報道ラッシュになっているのだろう。でも、起きたことをシンプルに伝えることさえも叶わないのかな、日本のマスコミには、と思わされた出来事でした。目玉になることもできないのなら、社会主義体制で言論をコントロールできる立場にあった書記長が権力もったのと構造かわってないじゃんよ。